7月25日〜8月14日          *repo*  arai

北海道長期キャンプより帰りました



盛岡でHIYAMAさんと別れた後、そのまま八戸からの航路で北海道へと渡った私は、今年も、恒例の北海道長期キャンプを 満喫してきました。

今回はその模様をダイジェストでお届けいたします。

北海道滞在中は、今年もまた、 ワイルドエキップメント の奥田さん、十勝の釣友YOKOZEKIさんには、大変お世話になりました。この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。

【プロローグ】



野生の巨大レインボーとの出会い――、今年も、こんな美しい魚に会いたくて、道内各地のさまざまな川を 旅してきました。
とは言え、北海道だからといって、巨大レインボーがやたらに居るわけではありません。 いえむしろ、その数は、本州の我々が思っている以上に、極めて少ないのが実情なのです。

「砂漠の中で砂金を探すようなものだ……」 あの巨匠SS氏のDVDの中の言葉ですが、実際、一日かけて長い距離を歩いて、 出会えるのは、「1か0か」です。しかも、その「1」を取れるか否か。今年も、ランディングにまで持ち込めずに、 悔しい思いを重ねました。

だからこそ、その一匹との出会いは、貴重であり、それを手にする喜びは、何物にも変えがたいのです。

【キャンプ生活編】



北海道には、雄大な自然に囲まれた快適なキャンプ場が各地にあるので、キャンプ生活そのものを楽しむにも最高です。
前半は一人旅、装備もシンプルにソロ・キャンプ仕様です。(美深キャンプ場にて)



相棒の「ガク」も、すっかりキャンプ生活になじんでいます。



旅の後半、家族と合流してからは、タープを張って、ファミリー・キャンプ風に。(ポロシリキャンプ場にて)

【歩いた川・出会えた魚たち編】



一年ぶりの再会に、温かく出迎えてくれたYOKOZEKIさんとともに、最初に向かったのは、大切なお気に入りの川。



凄まじいスピードに、スリリングなファイトを堪能した末、手にしたのはレインボー38p。



昨年に続いて訪ねた川は、今年も渇水気味で苦戦を強いられることに。



これもまた自然か。エゾ鹿の白骨は、何を物語るのか……。



その日、一匹も釣れないまま、辿り着いた最後のプールで、ドラマは待っていた……。
強烈な引きに、水中の倒木にラインを巻かれて、まさに絶体絶命! 最後は、肩まで水に突っ込んで、なんとかネットイン!



巨大なドライフライを丸呑みしたのは、リールを覆い隠すほどに大きく張り出した尾びれと、 逞しくも完璧な魚体の持ち主だった!



メジャーを当てれば、驚愕の 59p!

……実はこの時、必死のランディングのせいで、ウエーダーの中まで水浸しだった(涙)



北海道での釣りに欠かせない装備たち。



長大なプールで、ライズの主を仕留めてみれば、なんとも嬉しい「外道」の岩魚40p。



秘境を目ざして林道をたどれば、まだ新しい羆の糞が……(怖)



そしてたどりついた秘境では、果てしなく深い太古からの森と、どこまでもクリアな水の流れが我々を迎えてくれた。 その日、残念ながら、巨大レインボーは姿を現してくれなかったのだが。



旅の終わりに、初めて訪ねた川にて。
流れの筋を、どこまでもナチュラルに漂うドライフライが、水中から浮かび上がった大きな三角形の口に、 ゆっくりと吸い込まれた……。それはまるで、スローモーションフィルムを見ているようだった。



「下手のガンガン瀬に突っ込まれたらおしまいだ……」 15分近い格闘の末、最後は#5ロッドのバットを満月のように曲げて、 岸際の浅瀬へとずり上げた。





メタリックな輝きが、まるで砲弾を思わせる逞しくも美しい魚体。



過酷な自然に鍛え抜かれたレインボー 50p。



そのパワーの凄まじさは、この、意外と愛くるしい表情からは想像できないほどだった。

【エピローグ】



キャンプ最後の夜、YOKOZEKI さんを迎えて、楽しい旅の思い出の数々を語り合いながら。

―― この夜、一年後の再会を約束して、長い道のりを自宅まで帰って行かれたYOKOZEKI さんだったが、翌朝、 テントの撤収を終えた私のもとに電話があった。興奮した口調で彼が語ったのは……

「出ました! 獲りましたよ! なんと、62pでした!!」

それは彼が心から愛する地元の川でのこと。その日の朝、彼が入ったポイントは、実は、1週間前に私が、 ファイト中に倒木に突っ込まれ、痛恨の思いをした場所だったのです。

話を聞きながら、正直、自分が獲れなかった悔しさは沸いてきませんでした。それよりも、ルアー歴の永いベテラン・アングラー である彼が、私との出会いをきっかけに、フライを始めて数年目、大好きな地元の川で自己記録となるレインボーを獲れたことを 心から喜んでいるのが、なによりも嬉しかったのです。自分のことのように、嬉しかったのです。

心待ちにしていた、その写真が届きました。





いったいどのくらいの歳月を生き抜いてきたのだろう?

雄のレインボー特有の、がっしりと逞しく張り出した下あごには、過酷な自然を生き抜いてきたものだけが持つ 風格を感じさせる。

そうして、こんな魚を育んできた川と自然とを、人の手によって年々蝕まれていく北海道の川と自然とを、 いつまでも守って行かねばならないと思わずにはいられない。



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